PRIDE<短編>
2
10数階建ての
ビルの前。
入口には
研いたみたいに
ピカピカ反射する
"株式会社○×商事"
の文字。
ビルの前でジッと仁王立ちのアタシは
その文字に睨みをきかせた。
次第に口元が
ニヤッと上がる。
釣られて目もとも
ヘラッと緩む。
ビシッとスーツを着こなすアタシは
どこからどう見ても
OLだ。
化粧も薄くしてみた。
ダサいリクルート用の靴は
どうしても履けなかったけど
ピンヒールのパンプスが
出来る女を演出してる。
周りの風景にも馴染んでる。
だってダテ眼鏡まで買ったもん。
今日をどれだけ待望んだか!!
その証拠に
会社の近くまでは
スキップで来た(笑)