鬼畜な俺様執事


私は視線を外し、波打ち際を歩いた。



ピシャピシャと波を踏む。



ふいに後ろから抱きすくめられた。



「綾香……」



私が振り返ろうとするのを拒まれる。



「朔夜……?」



「……行くぞ。風にあたり過ぎた」



何事もなかったかのように私から離れ、バイクへ向かって歩き出す。

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