鬼畜な俺様執事


私はそっと朔夜の手に触れた。



朔夜は一瞬、手を避けようとした。



「綾香……」



誰よりも純粋で、

誰よりも潔癖だったからこそ、

私に触れられない朔夜。



私に触れて、嫌われれば諦めもつくと思った、と。



でもね、朔夜。



あなたが私に触れるときは、いつだって優しかったから……



「私は朔夜に触って欲しいよ……」

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