鬼畜な俺様執事


「婚約者……」



呟いた私に、椿は寂しく微笑んだ。



「だった、です」



あの事件が原因で、椿の両親から破談にした、と言った。



「でも、その時にはもう、私は朔夜さまを好きになっていて」



椿はうつむき、目を伏せた。



「まだ好きなのね……」



私の言葉に、椿は小さく頷いた。

< 227 / 385 >

この作品をシェア

pagetop