鬼畜な俺様執事
「条件なんざ特にないよ。
強いて言うならその女の解雇かね。
なぁに、その女の父親に泣きつかれただけだ。
ちょっとオイタが過ぎたようだからな」
そんなことで、果たしてこの人が動くとは思えなかったが。
俺は青ざめた雅をちらっと見て頷いた。
綾香以外、失って怖いものなど、俺にはなにもない。
「そうか。受けてくれるか。
よかった、よかった」
そう言って、料理を食べ始めた。
雅は青ざめた顔をして、カラリと戸を開け出ていった。