鬼畜な俺様執事
私はびっくりした。
でも、岡谷さんの目は真剣そのもの。
ほんの少しの間で、何も考えられなかった私は、反射的に後押しをした。
きっと何か考えがあるんだろう。
それが私たちにとっていいことかどうかはわからないけれど。
「ええ、私からもお願いします」
父は少し思案していたが、わかった、と頷いた。
「ありがとうございます」
岡谷さんが深々と頭を下げると、父はそれを一瞥し、部屋を出て行った。