鬼畜な俺様執事
岡谷さんは少し笑って言った。
「どうしてでしょうね?
自分でも驚いています。
私にも『人の心』はあったようですよ?」
それだけ言って、丁寧に
「お世話になりました」
と頭を下げた。
「あの時は……ごめんなさい」
そう言った私に、岡谷さんは少し微笑むと、軽く会釈をして部屋を出て行った。
私はしばらくぼんやりしていたが、おもむろに携帯を取り出し、朔夜へメールを送った。
今日のこと、岡谷さんのこと、これからの二人のこと……
♪♪♪
ほどなく、返信を知らせる音楽が流れる。
私は携帯を開き、メールを読んだ。