鬼畜な俺様執事
道標
灯り
結局、おばさんに散々根掘り葉掘りきかれて、朔夜はげんなりしていた。
それでもいちいち答えている朔夜に、私は羨ましさを感じた。
私が両親とこんな風に話したのは、一体いつのことだろう……
そんなことをボンヤリと考えていると、
「……さん?……綾香さん?」
不意に名前を呼ばれ、私が意識を戻すと、おばさんが私を優しく見つめていた。
「え、あ、すみません」
全く話をきいていなかった私をとがめることなく、おばさんはにっこり微笑んだ。
「かしこまらなくていいのよ。
色々話して疲れたかしら?大丈夫?」
親しみやすい笑顔を見せるおばさんに、私は頷いた。