あたしと彼のオトナな契約
好きと憧れ
「…ぃ……おぃっ……おいっ! 那奈!」
いつもみたいに、晋也さんの声で目が覚めた。
「あぁ。 晋也さん……。 オハヨ…」
あたしがそう言うと、どっとみんなの笑い声が聞こえてきた。
「オハヨっつーか…普通に昼だけどな」
晋也さんが呆れ顔であたしの前髪をくしゃっと掴む。
あれ……
あ。
そうだ。
バスの中か。
あたし…疲れて寝ちゃったんだ。
目をこすり、朦朧とした頭をフル回転させる。
今日は、キャンプか。
あたしたちJJは、年に2回、いつもボランティア活動をしてるお礼として
市の負担してくれたお金で、キャンプに行けることになっている。