あたしと彼のオトナな契約
「高校2年、高瀬那奈です! よろしくお願いします!」
憧れの先輩に誘われたボランティア活動のグループも、もう入って1年経っていた。
「那奈!」
「晋也さん…また今年も、よろしくお願いしますねー」
「おー。 今年もいっぱい参加しろよー」
彼はシニアの方のリーダーの人で、北川晋也さん。
新人として去年入ったあたしのお目付け役として色々面倒を見てくれた晋也さんは
もちろん他の人達からも注目や憧れの的。
「今日の打ち上げってないんですかー? いつもみたいに飲みましょーよ!」
あたしは晋也さんにおねだりする時の目をして話しかける。
「バカ! お前未成年だろ! 俺が悪者になるんだから大声で言うな!」
だけど、あっさりはらわれた。
やっぱり8つも年下じゃ、相手にしてくれないのかなぁ……
あたしはしゅん、と肩を落とす。