あたしと彼のオトナな契約



「あぁ。 だから花束買ってたのか」



「うん。 そんな小まめに行ける訳じゃないから。 行ける時ぐらい素敵な花束持って行きたいと思って」



カチャカチャと音がする。


きっとお茶入れてくれてるんだ。



「何だって?」



「え? 何が?」



「那奈の親と何か話したんだろ? それなりに。 高校時代の同級だったら」



あははっと可愛らしいお母さんの笑い声が聞こえてきた。



「何だ。 弘明にバレるとはね。 うんー。 まぁそれなりに、って感じかな」



「どーゆーことだよ?」



「これは、弘明にも言わないよ。 那奈ちゃんにも言わないでって言われたんだ」



え…


あたしにも……




「時が来たら、2人にも話すよ」




< 30 / 46 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop