あたしと彼のオトナな契約
「あぁ。 だから花束買ってたのか」
「うん。 そんな小まめに行ける訳じゃないから。 行ける時ぐらい素敵な花束持って行きたいと思って」
カチャカチャと音がする。
きっとお茶入れてくれてるんだ。
「何だって?」
「え? 何が?」
「那奈の親と何か話したんだろ? それなりに。 高校時代の同級だったら」
あははっと可愛らしいお母さんの笑い声が聞こえてきた。
「何だ。 弘明にバレるとはね。 うんー。 まぁそれなりに、って感じかな」
「どーゆーことだよ?」
「これは、弘明にも言わないよ。 那奈ちゃんにも言わないでって言われたんだ」
え…
あたしにも……
「時が来たら、2人にも話すよ」