あたしと彼のオトナな契約
「晋也さんと那奈が目の前で話してんの、なんか気持ちわりーのな」
晋也さんが帰った(ほとんど押し返したようなもんだけど)あと
お茶を下げながら弘明が言った。
「ごめんね、なんか。 弘明の家なのに」
「や、それは全然いーんだけどな。 だってもうやることやってんだろ?」
「へ……?」
「いや、今さらとぼけなくてもいーぜ。 こんな事聞いた俺も俺だし」
何言ってんだ、コイツは。
「何も…してませんけど?」
「……へ?」
二人の間に、沈黙が流れる。
一秒、二秒。
もう、何秒経っただろう……
あたしから口を開いた方がいい?