あたしと彼のオトナな契約
「意外ともつもんなんだな。 晋也さんが我慢できないと思ったけど」
いや、盛りのアンタとは違うから。
あの沈黙のあと、これまでの晋也さんとの事を色々話した。
「多分ね、あたしが思うに、晋也さんってキスが一番好きなんだよ」
弘明のお母さんがいないのを確認して、コソコソと話す。
こんな事を話せるのも、きっと弘明だけ。
普通に考えたら、あり得ないもん。
「女の唇って、柔らかいもんな」
……男って、みんな同じ思考回路なんだろうか。
以前、晋也さんも同じ事言ってたような…
もー。
みんなガキなんだから。
「那奈は、部屋行って休んでろよ。 そろそろ夕日も出る頃だしな」