COLORS【赤】ヴァンパイア協奏曲
「こらぁっ!!起きろ~っ!!」
いつもの探偵事務所にて。

「……ぁ……っ……もう朝か」
ソファーですやすやと眠っている流偉。

「何言ってるの、もう午後よ!午後三時!!」
芽実の大きな声が頭にキンキン響く。

ったく……二日酔いのおっさんか己はっ!!

「もうよくなったんだ?」

「おかげさまで!まぁ~あんたに噛みつかれた時は終わりだって思ったけどね!」
首筋にそっと手を当てると、赤い点が二カ所。
その生々しいさを見せられると思わず……。

「ごめん……」

「あと少し遅かったら手遅れだったかも。この通り痕は残っちゃったけどさ、私はもう大丈夫だから!!ねっっ!!それと……ごめん」

「?」

「勝手なことしちゃって」

「その事……か。まぁ、無事だったんだし、もう許してやるよ。今更怒る気もしないし……でも今度したら絶対許さないからなっ!」

「うん……」
芽実は静かに頷いた。

「しかし……今回も親父の有力な手掛かりは収穫なしか」
流偉は後ろで手を組んでソファーの背もたれに寄り掛かる。

「まぁ、いいじゃない!地道にやって行こうよ。さすれば自ずと道は開けるってね!」

「そうだな……。でもおかしいよなぁ〜今まで血見ても『ヴァンパイア』なんかになんなかったのに」

「それはきっと……」

「……芽実?」


「神様の仕業……かなっ!ありがとう、流偉。仇をとってくれて、力になってくれて……」
芽実はにっこり微笑むと眠気なまこの彼の口唇にそっとkissをした。



『……ありがとう』



END
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