COLORS【赤】ヴァンパイア協奏曲
「一つだけ確実な方法ならあるよ」

闇雲に探し回るよりは絶対に近道なハズ。

「……確実な方法?」
彼は首を傾げた。

「私が発信器をつけて『囮』になるってのはどう?そうすればすぐ見つかるでしょ!」

恐くないと言ったら嘘になる……。
本当は恐くて恐くて仕方ない。
──だけど、
これしか方法が無いの。


だから。


「お前!正気かっ?!もしものことがあったら……俺は」

「任せてよ!これでも剣道初段なんだからっ!」
芽実はブイサインをして見せた。これが精一杯の彼女の強がり。

「ってそういう問題かっ!!相手は『人間』じゃないんだぞ!」

「……信じてるから。信じてるからね!──流偉」
私のこと助けに来てくれるって。

芽実はそう言い残し、漆黒の闇の中へと一人走り出した。

「お、おいっ!待てっ!芽~実っっ!!」

いつまでも流偉の声が、冷たい空気の中で行き場を失い木霊していた。
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