あいつを抱いたあの日から。



「あんた何言ってんのバカじゃな」

「「見たんだよ…母子手帳」」


「えっ」



母さんの顔が、青ざめ、
一瞬にしてさっきまでの
勢いがなくなった。


「正直に言ってよ」

「…っ」

「大丈夫。未都には言わない…
母さんが本当のこと、
ちゃんと話してくれたら。
もう未都には告白しないし
好きだなんて言わない…」



俺は意外に冷静だった。

けれど本当は不安でいっぱいだった。

次に母さんが何て言葉を発すのか…








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