あいつを抱いたあの日から。


「付き合お…」


そして俺は静かに呟いた。


木村は何も言わず目を丸くし遠くの窓の外を眺めている。


忘れられない人がいる
忘れられない人が傍にいる


忘れられたくない人が…


こんなに近くにいるのに俺はそれを手放してしまおうとしている。


だって俺は


忘れられない人を守れる程の…余裕がないから。



…だから…



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