あいつを抱いたあの日から。

それに、

これを言ってしまうと
俺にストップが効かなくなる。




だから未都を
想うのは今日が最後の日にする。



俺は木村彩を選ぶ。


だから今日だけー…



ーーバッ


俺は未都を抱き寄せた。

未都。

好きじゃないけど…

守りたかった。守ってやりたかった。


俺が…

他の男なんかじゃなくて俺が…


「か、かっちゃん!彩ちゃんが悲しむよ」


未都が言った言葉。


分かってた。
俺の彼女は木村彩。


ここにいるのは未都。





「もう少しだけ」


俺はさらに強く抱きしめた。
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