home(短編)
「穂乃香………ごめん…」
俯いて黙ったままの私を憲二は心配そうに覗き込む。
謝らないで…
余計みじめになるから。
なんか、私が可哀想な人みたい
私は……………謝られるような立場じゃない
『おめでとう。』
精一杯、ひきつる顔を隠す。
『良かったじゃん。子供ができたらさ、奥さんともまた深い絆で繋がっていけると思うよ。
守るべきものがあると、人は頑張れるからね。
私との暇つぶしはもうおしまい♪』
無理して笑う私に
憲二はムキになって言った。
「暇つぶしだなんて言うなよ!!!俺は………そんな風に思ったこと一度もなかった。」
『そんな…………恐い顔しないで。』