home(短編)
「起きた………」
ふと顔をあげると、憲二がクスッと笑ってこっちを見ていた。
「おはよう」
『おはよ』
憲二は私にそっと口付ける。
『朝まで一緒にいられるなんて……嘘みたい……幸せ。』
「俺もだよ」
憲二はもう一度キスをして、そのキスはだんだん強さを増して深くなっていく。
もうこのまま1つになって、溶け合えばいい。
そうすれば遠くなったり
離れたりすることもないし、
孤独を恐れることもないのに。
私は憲二と何度も舌を絡め合った。
憲二のキスは
私の心から迷いを消すの。
まあ、いいや。
奥さんと別れて、なんて言えない。また今度考える。
今は離れたくないって。