home(短編)




「起きた………」



ふと顔をあげると、憲二がクスッと笑ってこっちを見ていた。



「おはよう」



『おはよ』





憲二は私にそっと口付ける。




『朝まで一緒にいられるなんて……嘘みたい……幸せ。』




「俺もだよ」




憲二はもう一度キスをして、そのキスはだんだん強さを増して深くなっていく。




もうこのまま1つになって、溶け合えばいい。


そうすれば遠くなったり

離れたりすることもないし、


孤独を恐れることもないのに。





私は憲二と何度も舌を絡め合った。


憲二のキスは

私の心から迷いを消すの。




まあ、いいや。


奥さんと別れて、なんて言えない。また今度考える。


今は離れたくないって。





< 9 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop