花音ちゃんと私
第四章
槇先輩は三年生だ。

私達の教室とは別棟のBクラスで、剣道部に所属している。

背はすらりと高く、目尻のきりっとした、整った顔立ちをしている。

正直槇先輩を始めて見たときは驚いた。

花音ちゃんの気になる男性陣からは、ちょっと系統の違う雰囲気がしたからだ。

しかし、槇先輩は花音ちゃんの語る「妄想恋愛話」に一日一回以上、必ず登場する。

私からすれば耳にタコができてしまいそうなほど。

槇先輩がこのことを知ったらどうおもうだろうか。

そう考えると自然とにやけてくる。

「何笑ってんの。気持ちの悪い里子」
< 13 / 36 >

この作品をシェア

pagetop