花音ちゃんと私
私って花音ちゃんの次に性格悪いな。

槇先輩が私達の目の前に現れたのは三ヵ月前だ。

三ヵ月のその日、忘れ物を取りに教室へ戻った花音ちゃんは、下駄箱で槇先輩と出会った。

私は校門にいたので、その一部始終を全く見ていないのだが、花音ちゃんはその出会いを驚くほど雄弁に語ってくれた。
まさに、隅から隅まで。

ここにはその出会いを簡潔に書こう。

金木犀の香る渡り廊下を、花音ちゃんは走っていた。

そこでマフラーを落としてしまったのだが、花音ちゃんは気付かなかった。
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