花音ちゃんと私
私はなんとなく疲れてしまったので、適当に話をかわしていた。

花音ちゃんが窓際の席で、一人でお昼を取っているのが見える。

窓から差し込む光で、花音ちゃんがぼんやり霞んでいるような気がした。

私は花音ちゃんのことを考えていた。

愛美ちゃんが、今放送しているドラマや新曲を出したアーティストの話をしている隣で、花音ちゃんのことを、ずっと考えていた。

私達は高校生活が始まって以来、ほとんど一緒だった。

国語の宿題の作文を見せ合いっこしたり、商店街のどのお店の男の人がカッコイイか見比べたりした。
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