花音ちゃんと私
なるほど。厚着のせいかもしれないけど体格もかっちりしていて、花音ちゃん好みの優しそうな顔立ちの人だ。

じっくり観察した後、改めて私は花音ちゃんのほうへ向き直る。

「うん、花音ちゃんのこと見てたみたい」

すると花音ちゃんはちょっと不安そうに…だけど内心満足気に…こう言うのだ。
「もしかしたら、あの人あたしのこと好きなのかも」

商店街を出て住宅地に入る。今は暗くて見えにくいけど、突き当たりにスカイブルーの鮮やかな屋根をした小さな幼稚園と、それに隣接した公園が見えてくる。
私達はそこでお別れ。
< 3 / 36 >

この作品をシェア

pagetop