花音ちゃんと私
二人で、槇先輩がどこの階のクラスにいるか尾行してみたり、放課後におじいさんが一人で経営している古本屋に行ったりもした。


私はこのクラスの中で、いや、この学校の中で、花音ちゃんのことを一番よく知っているつもりだ。

だから、花音ちゃん毎日お昼にコンビニのお弁当やパンを食べていることも知っているし、腕やふくらはぎに傷や痣が常にあることも知っている。

保護者会やPTAの集まりがあったときも、花音ちゃんの両親が一度も学校に来ていないことを知っている。
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