花音ちゃんと私
第二章
花音ちゃんと出会ったのは六月のことだ。
高校の入学式、慣れない教室、難しくなった勉強…そんな新しい生活についていけるようになったある日のこと、花音ちゃんはふっ、と私の目の前に現れた。
唐突に。
「大塚里子」
放課後だった。
私はノートを忘れたことに気付き、通学路から教室に引き返して来たところだった。
花音ちゃんは教室のドアの前に通せんぼする格好で立っていた。胸のところに「大塚里子」と書かれたノートを持って。
「これ、先生が返し忘れたみたいよ。今机に入れておこうと思って」
「そう、ありがとう」
高校の入学式、慣れない教室、難しくなった勉強…そんな新しい生活についていけるようになったある日のこと、花音ちゃんはふっ、と私の目の前に現れた。
唐突に。
「大塚里子」
放課後だった。
私はノートを忘れたことに気付き、通学路から教室に引き返して来たところだった。
花音ちゃんは教室のドアの前に通せんぼする格好で立っていた。胸のところに「大塚里子」と書かれたノートを持って。
「これ、先生が返し忘れたみたいよ。今机に入れておこうと思って」
「そう、ありがとう」