*制服のボタン*a solemn promise*
「……昔の女だ…」
…やっぱり……
分かっていてもやっぱりショック…
綺麗な人だった。
…でも…それだけ?…
あの人に呼び止められて、振り返った時の陵弥の顔が曇ったのは気のせい?
私の手を握った時、陵弥の心が震えてる様に感じたのは……何故…
「凜花…好きだよ…」
私の耳元で囁いて。
深いキスをしてきた。
優しい言葉とは裏腹に、いつもと違う陵弥……
陵弥は私を抱いた。
いつもは優しい陵弥が、ちょっと乱暴に…私を抱く。
正直、苦痛さえ感じた。
だけど…陵弥の心が震えてる気がして…拒否れなかった。
受け止めてあげたかった。陵弥の震える心を……
私は最後まで耐えた。
私の頭を撫でる陵弥が見つめる。
いつもは甘くて、幸せな行為が……
今の私には切なかった。
「…ごめん…優しく出来なかった…」
優しい言葉に胸が熱くなって、頬に涙が伝った。
いつもの優しい目になった陵弥が、そっと涙を拭いて、見つめる。
そして唇を合わせた。
「陵弥……ちゃんと話して…私…受け止めるから…」
私は陵弥にそう言った。