*制服のボタン*a solemn promise*


…久美……

石田 久美と知り合ったのは中3になって直ぐの頃。


ケンカばっかやってた俺は多少は有名人。


好きでケンカしてた訳じゃない。

俺の目立つこの顔が気に入らねって、絡まれて結局ケンカする……
それの繰り返し。


高校入学当初、俺にあった噂はこれが根元だろ……


女とは適当な遊び。


そんな時、近付いて来たのが久美だった。


「遊びでいいから一度付き合ってよ」


たった一度だけの関係。

誰にも本気になれない俺は女なんかみんな同じだった。

顔や名前さえ覚えていない……


でも久美は違ったんだ。
傲慢な女で、自分に堕ちない男はいない…と思ってる自信過剰な女。



「俺はお前と付き合うつもりはねぇ」


そうはっきり言った。

何度も。



それが気に入らなかったんだろーな。



俺の周りの女、近付く女に嫌がらせや脅しを始めた。


あの女は手段を選ばす、髪を切られたとか、レイプ紛いの脅しを受けたとか……


俺の知らない所で。


恐ろしいくらいの執着心。


それに気付いた時、俺は女と関わるのを止めた。


誰も傷付けずに済むからな。




だけど…凜花に出会った。
初めて本気で好きになった女……



守りたい……


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