*制服のボタン*a solemn promise*


…陵弥……


険しい顔になる陵弥。


誰が見たって、怪しい体勢だよ……



「原田…テメェ…」



陵弥が原田君の胸ぐらを掴む。



「ふんっ…大事な彼女を待たせるお前が悪いんだろ!!俺は諦めが悪いんだよ!!」


そう吐き捨てると、陵弥の手を払い帰って行った。


私は壁を伝いズルズルと下に崩れた。



「凜花…大丈夫か…」


「…う、うん大丈夫…」



びっくりした……


まさかキスされるなんて…


「凜花…帰ろう」



そう言って陵弥は私を立たせると、手を握って歩き出す。


何も聞かない陵弥……

…多分……見てたはず。


私から……言うべき?……


陵弥の横顔……怒ってる…?…

ちっとも私を見てくれないじゃない……



…何か言ってよ……


私……原田君にキスされちゃったんだよ……



ばーか…って、言ってくれないの……


そしたら…私…

笑えるのに……




ねぇ……陵弥……



何も聞かない。

話してくれない陵弥…



私はずっと俯いて歩いた。


< 125 / 201 >

この作品をシェア

pagetop