*制服のボタン*a solemn promise*
…陵弥……
険しい顔になる陵弥。
誰が見たって、怪しい体勢だよ……
「原田…テメェ…」
陵弥が原田君の胸ぐらを掴む。
「ふんっ…大事な彼女を待たせるお前が悪いんだろ!!俺は諦めが悪いんだよ!!」
そう吐き捨てると、陵弥の手を払い帰って行った。
私は壁を伝いズルズルと下に崩れた。
「凜花…大丈夫か…」
「…う、うん大丈夫…」
びっくりした……
まさかキスされるなんて…
「凜花…帰ろう」
そう言って陵弥は私を立たせると、手を握って歩き出す。
何も聞かない陵弥……
…多分……見てたはず。
私から……言うべき?……
陵弥の横顔……怒ってる…?…
ちっとも私を見てくれないじゃない……
…何か言ってよ……
私……原田君にキスされちゃったんだよ……
ばーか…って、言ってくれないの……
そしたら…私…
笑えるのに……
ねぇ……陵弥……
何も聞かない。
話してくれない陵弥…
私はずっと俯いて歩いた。