*制服のボタン*a solemn promise*
「えっ!!…また…行くの!!」
講義の前の教室の片隅で、沙織に報告した。
黙って頷く私に沙織が。
「凜花、待っていられるの…」
「私は…陵弥だけなんだよね……待っててとは言ってもらえなかったけど、私が待ちたいんだ…」
窓の外を眺めると雨。
梅雨の降り止まない雨が私の心を濡らす…
「凜花…あの部屋で待つの?」
沙織が切ない顔で聞いた。
「…うん…空港にも見送りしない。普通に…送り出したい…」
行ってらっしゃい…
そう、笑顔で送り出したい。
「陵弥は幸せだね…凜花にこんなに思われてて…
陵弥が待っててって言わないのだって、凜花を思っての事だろうし……あんた達ならどんな事があっても大丈夫なんじゃない……」
どんな事があっても……
私はどんな事があっても待ちたい。
だけど……淋しい……
心にポッカリ穴が空いたみたいだよ……