*制服のボタン*a solemn promise*


「行ってらっしゃい」


笑顔で言えた。



「行って来るよ…」



私を抱きしめて……

キスをして出て行った陵弥。



私はそのまま床にペタンと座り込んだまま泣いた。


また陵弥がいなくなった……


私は1人で…
この部屋で待ってる…



次はいつ会えるのか分からない……



淋しくて…
…苦しくて…



張り裂けそうだった……


部屋の中は直ぐ陵弥が帰って来そうな……

陵弥の気配がいっぱい残ったままで。



私の選んだ道は間違っていたのかな……


こんなに淋しい思いをしてまで、待ってるなんて言った事。



陵弥は待ってろって言わなかったのに……



ポタポタと床に落ちる涙。


いつもなら…



「ばーか、泣くな」




そう言って抱きしめてくれる陵弥は……もういないんだ……そう思うだけで涙が溢れた。




さっきまで陵弥が座っていた椅子にボーッと腰を下ろしたまま時を過ごした。


ブルルルル…♪


ビクッ!!



突然、テーブルの上の携帯が震えて跳び跳ねるほど驚いた。



『あ、凜花ちゃん…急で悪いんだけど今日バイト入れないかな…』



山根チーフ…からの電話だった。



< 138 / 201 >

この作品をシェア

pagetop