*制服のボタン*a solemn promise*


陵弥はパソコン画面に見入り、全然私に気付かなかったみたい。



仕事だから…
……仕方ない。




そう思っても割りきれない気持ち。



でも…今日は陵弥の誕生日なんだよ……


私、頑張ってご馳走作ったよ。



昨日から話しもちゃんとしてないのに。



そう思ってしまうのは私のわがまま…?…



拗ねたりして
……ごめんなさい…




ブルーな気持ちが大きくなるばかりだった。



キッチンに準備した陵弥の為のご馳走。



「頑張って作ったのにな…」


呟く様に言葉が漏れた。



時々、聞こえて来る笑い声が余計私を切なくさせる。


…陵弥…



私はエミリーの様にはなれないよ……




ただ、一緒にいるだけじゃ駄目なんだね……




私は広げていた雑誌を閉じると玄関を出た。



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