*制服のボタン*a solemn promise*
打ち合わせが終わったところで、パタンと玄関の扉の閉まる音が聞こえた。
テーブルの上に用意されたお茶。
いつ凜花が持って来たのかも気付かなかった。
「凜花…?……」
リビングにも寝室にも凜花の姿は見当たらない。
玄関…凜花の靴がない。
さっきの音……凜花…
「あら、ご馳走の準備がしてあるのね、今日は何かあるの?」
エミリーが言った。
ご馳走…?…
…今日………俺の誕生日!!
俺の為に…?…
「凜花…」
俺は勢い良く玄関を飛び出した。
「ちょ、ちょっと陵弥!!」
凜花…どこ行った…
マンションの外はもう真っ暗で、正直焦った。
俺、ずっと放ったらかして、仕事だって、別に急ぎじゃなかったのに…
凜花と仲直りする方が先だった……。
不安な気持ちでいると前の道をとぼとぼ歩いて来る凜花。
「ばーか!!どこ行ってたんだよ!!…」
「………ごめんなさぃ…」
怒った様な口調で言ってしまった俺を見上げ。
今にも泣きそうな凜花…
うっわぁー…こんな言い方するつもりじゃなかったのに……
俺は凜花をギュッと抱きしめた。