*制服のボタン*a solemn promise*


凜花が妊娠した。

正直びっくりしたけど、一緒に暮らしてるんだからあり得ない訳ないし、嬉しい。


素直に嬉しかった。



それなのに…何であんな事言うんだ。



「陵弥の重荷にはなりたくない…」


重荷って何だよ!!

責任…?


結婚しよう…そう言ったら凜花はもっと喜んでくれると思ったのに……


凜花が妊娠したって責任で結婚しようって言ったとでも思っているのか……


正直、苛立った…

俺の子供……素直に喜べないのか。



「クソッ…」

ガコーン…コロコロ…


目の前に転がっていた空き缶を蹴り飛ばした。


「はっああー…」


真っ暗な空を見上げると、さっきの凜花の傷付いた顔が浮かんだ。



何であの時、泣いてる凜花を抱きしめてやれなかったんだろう……


もっと優しく話してやれなかったんだろう。


ちゃんと話せば良かったんだ。

俺が凜花と結婚したいんだって言ってやれば良かったんだ。



今頃また、気持ち悪くなってんじゃないのか……



そう思うと握りしめた手が震えた。



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