*制服のボタン*a solemn promise*


マンションの前まで来ると、入り口の植え込みに凜花が座っていた。


「凜花!!」


俺に気付いた凜花が駆け出した。


「ば、ばかっ!!走んな!!」

えっ……


凜花が抱き着いた…

「……ごめんなさい……」
そう言って、俺の胸に顔を押し付けて泣きじゃくる凜花。


ギュッっと抱きしめて、頬を擦り合わせた。



「ばーか!…こんなに冷たくなって、身体冷やすなよ…」


こんな薄着で、ずっと外にいたのか……

俺を待って、馬鹿だな。

…馬鹿なのは俺か…

凜花は凜花で色々考えたんだろうな。


そう思うと胸がキュンと締め付けられた。


愛しくて堪らないのにこんなに泣かした事…後悔した。


「凜花、中入ろう…」


そう言うとゆっくり顔を上げた凜花に触れるだけのキスをした。


凜花の唇が冷たくて、部屋に戻り風呂にお湯を溜める。

お湯が溜まるまでずっと凜花の肩を抱いていた。


「凜花、気持ち悪くないか?」


そう言うと凜花は首を左右に振った。


目を潤ませて俺を見つめる凜花が、俺の目の前に手を差し出した。



凜花の掌には……

……ボタン…



凜花の髪が絡んだボタン…


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