*制服のボタン*a solemn promise*

結婚式の準備も陵弥が進めてくれる。



「陵弥、お願いがあるんだけど…」


「…ん…何?」



「結婚式の指輪、今してる指輪じゃ駄目かな…」



陵弥がアメリカに留学する前に、私にくれた大切な指輪。


a token of love

『愛の印』


そう刻まれた指輪。

箱の文字は。

a solemn promise

『堅い約束』



陵弥との未来が堅い約束で結ばれていたから、今の私達があるんだよ。



離れ離れの淋しい間も、この指輪に何度救われて来たか分からないんだよ。



陵弥が私の左手を握り、口元に運ぶ。



そして、薬指にキスを落とした。



「お前がそれでいいなら俺はいいよ…」



優しく微笑んだ陵弥……

そのキラキラした瞳に吸い込まれる様に陵弥と唇を合わせた。



慌ただしく色々と進んで行く中で迎えたクリスマス。

去年は陵弥がいなかった。

沙織や卓君に支えられ淋しい思いをしないで済んだ。

イブに受け取った陵弥からのメッセージカードには。



『クリスマスに永遠の愛を誓うよ』


そう印されていた。

傍にはいなかった陵弥だけど、確かに私は陵弥の愛に包まれていたよ……



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