*制服のボタン*a solemn promise*
年末、アメリカから帰国した親父とお袋と凜花の家に挨拶に行った。
「大事な一人娘の凜花ちゃんと陵弥の事、お許し下さって本当にありがとうございます」
親父とお袋と一緒に頭を下げた。
「私達は、親として、傍にいてやる事が出来ませんが、どうか沢村さん…若い2人の事、宜しくお願い致します」
そう親父が言った。
親として……か…
俺も親になるんだよな。
凜花と出会って恋して、愛して、俺達の子供が出来て。
守らなきゃならない家族が増える。
こう言うのが幸せって言うのかな。
そして1月末の大安吉日。
今日、俺は凜花と結婚する。
凜花は身重の身体だから、新婚旅行はお預けた。
「赤ちゃんが産まれてからゆっくり旅行しようよ」
凜花がそう言っていた。
「花嫁さんの御用意が整いましたよ…本当に綺麗な花嫁さんですね」
凜花の控え室の扉の前に立つと急に緊張して、ノックする手が震えた。
コンコン…
「どうぞ…」
中から声が聞こえ、ゆっくり扉を開けた。