*制服のボタン*a solemn promise*
陸斗はそれ以上は何も言わず中庭を後にした。


教室に戻った俺は机に突っ伏したまま午後の授業を終えた。



「…や………陵弥…」


頭の上から卓の声がして、顔を上げた。


「どうした陵弥…昼休みから変だぞ、凜花ちゃんとケンカでもしたのか?」




「…いや……違う……

陸斗がこの学校にいた」



呟く様に言った俺の顔を、驚き、目を見開いて卓が。


「マジかよ…ヤバくねぇーかそれ…」



ヤバイに決まってんだろ!!


陸斗は……アイツの…



久美の弟だから……



石田 陸斗 俺達の2コ下で、久美の弟。



昔、久美の執拗な嫌がらせに手を貸したのは陸斗だ。

あの頃はまだガキだったから、大した事はしてないだろうが、噂じゃ、相当女を泣かせて来たらしいからな。


それこそ、怪しい仲間がいるんじゃないかって…



狙った女は自分のものにする……


姉弟、揃って傲慢だ。



「陵弥…凜花ちゃん本当に大丈夫か…」



先輩の女だけあって、いい女ですよねぇ……


アイツ……蛇みたいな目しやがって…



クソッ!!

陸斗になんか何かされてたまっか!!



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