*制服のボタン*a solemn promise*
陵弥と待ち合わせの下駄箱。
私は下駄箱に寄り掛かって、陵弥を待つ。
「沢村 凜花さん…」
振り返ると。
……誰…?…1年生…
「俺…石田 陸斗と言います。ちなみに久美の弟です」
弟…って…あ?…えっ? 久美ってあの人の……
まさか…何かする気じゃ…
私は手に持っていた鞄を胸の前にギュッと抱えた。
クスッ…
……えっ?
「そんなに警戒しなくても、俺、久美に頼まれた訳じゃありませんから…」
って、普通弟とかって聞いたら警戒するでしょ……
「…俺が欲しいんですよ…沢村先輩の事が」
……えっ?
欲しい?……は?…
ちょ、ちょっと待って!!
何なの……この状況。
久美の弟だけど、久美とは関係なくて、欲しい…?
欲しいって何ぃー…
眉間にシワ寄せ混乱する頭を、整理しようとする私に更に陸斗が。
「川上先輩なんか止めて俺にしませんか?」
えっ…?
は、はああぁーーー?
私は鞄を胸に抱え、今にも尻餅でも着きそうなくらい驚いた。
「凜花待たせて悪かっ…た…」