*制服のボタン*a solemn promise*


校門に寄り掛かる久美の姿に背筋が凍り付いた。



ついに、久美が何かする……そう思った。



凜花の手をギュッと握りしめ、久美の前を素通りした。



「陵弥!待って!!」



振り向かない俺に凜花が。


「陵弥……ちゃんと久美さんと話そうよ…」


はぁ?…意味分かんねぇ!!
自分が何かされるかも知れないってのに、何言ってんだか……


「俺は話す事はない」


今更、話す事なんかねぇーよ……



そう言った俺を無視して、凜花は俺の手を離し振り返った…




バッチーン!!



久美に平手打ちを食らった凜花がよろめいた。



一瞬にして、カーッとなる俺。



「久美!!何しやがるッ!!」


叫ぶと同時に泣きながら久美が抱き着いた。


唖然とする俺。



「久美!何やってんだよ…」


下校中の生徒の人混みを掻き分けて陸斗が言った。


久美を離し、頬を押さえた凜花を引き寄せる。


「大丈夫か」


と声をかける俺に頷きながら凜花が。



「陵弥……ちゃんと話そうよ……」



そう言った凜花の顔は、俺には拒否権ねぇーって顔だけど……


渋々了承した俺。


「どこで」


「陵弥んち!」



って、はあああ?



< 30 / 201 >

この作品をシェア

pagetop