*制服のボタン*a solemn promise*


「「えっええ!!!!」」


陵弥と驚きが被った事実。

久美さんに彼氏……



「何よ…私に彼氏がいちゃおかしい…」


鼻をすすりながら、涙でぐちゃぐちゃの顔で。


「久美さんは彼氏がいるのに、何で陵弥に…」


すると陸斗君がまた。


「久美の彼氏はこの春卒業して遠距離になったんです…昔の事もあって、久美は友達あんまりいないし…

彼氏を見送って、淋しくて…そう思ってる時、街でナンパされてる凜花さんを助けてる川上先輩を見かけて声を掛けたみたいなんです…」


…あの時…彼氏の見送り…


すると今度は久美さんが。

「だって陵弥が、昔はあんな顔誰にも見せなかった癖に、凄く優しい顔して。

私は友達もいないし、彼氏と離れて淋しくて、心細くて堪らないのに…陵弥が…羨ましくて…幸せそうな陵弥に腹が立って……」



…何だか久美さんに同情するよ……



結局…久美さんは私に何かする気があった訳じゃなくて……

彼氏と遠距離になってしまった、淋しい気持ちを陵弥にぶつけただけ……



「あの…叩いてごめんなさい…」


陸斗君に促される様に私に申し訳なさそうに謝る久美さん……



責める気持ちなんか全然起きなかった…



「私も久美さんが羨ましい…」




< 32 / 201 >

この作品をシェア

pagetop