*制服のボタン*a solemn promise*
もう直ぐ……陵弥がいなくなる……
そう思うと私の足は中庭に向いていた。
ベンチの上には陵弥……
目を閉じたままの陵弥。
…眠ってる…?…
背凭れ側からそっと覗いた。
長い睫毛……
…ふふ…私より長いかも…
…綺麗な顔……
初めてここで出会った時、見とれちゃって……
意気なりキスされたんだ…
心が離れかけた時も……
陵弥はこうやってベンチに寝てた。
私に全然、気付かないで。
そうっと陵弥の顔に手を伸ばす。
その瞬間。
「うわぁっ!!」
ギュッと私の手を陵弥が握った。
「お、起きてたの…び、びっくりしたぁ…」
心臓バクバクだよ……
「ばーか!!凜花の気配くらい分かるって…散々人の顔見といて…」
…だって眠ってるのかと思ったし。
そして、上体だけ起こした陵弥の手が私の首に回り。
目を伏せた顔が近付いて…
唇が重なる。
唇を離した陵弥が。
「あー…凜花に触りてぇー…」
って……
「……いいよ…」