*制服のボタン*a solemn promise*

このまま時間が止まればいいのに……


そう思っても時間は待っててくれなくて。



陵弥は明後日旅立つ。



今日はアメリカに行ってしまう陵弥の為にって、ママが腕を奮った。


私の家に陵弥を招いた。



「陵弥君、たくさん食べてね」



「そうだ、食え食え…ついでに飲むか!」



って、ママもパパも。


しんみりしない様に明るく振る舞ってくれた。




「…あの…お願いがあるんですけど」



突然、陵弥が真剣な顔をした。


パパとママの向かいに陵弥が座り、私も隣に座った。


それを見て陵弥が口を開いた。




「…俺…アメリカに行きます。でも、必ず凜花の事迎えに来ます」


……陵…弥…?…



「その時は俺に…凜花の事預けて下さい。お願いします」


そう言って両親に頭を下げた。



私は泣かないって決めてたのに……涙が溢れていた。


するとパパが。



「陵弥君…何で預けてくれなんだね?下さいじゃないのかい?」



「…まだ未熟で、下さいとは言える立場じゃありません。でも、大切なものを守れるだけの男になれたら、迷わず下さいって言いに来ます…
だからその時まで俺に預からせて下さい」



陵弥はもう一度頭を下げた。



< 58 / 201 >

この作品をシェア

pagetop