*制服のボタン*a solemn promise*
旅立つ日。
凜花と部屋を出た。
昨日、この部屋の鍵を凜花に渡した。
俺のいない間、いつでも凜花が来れる様に。
俺がいなくなったら、絶対泣く凜花…
淋しくなったらこの部屋で泣ける様に……
空港には卓と沙織ちゃんも来てくれていた。
涙ぐむ卓にも、沙織ちゃんにも感謝するよ。
「凜花の事、宜しく頼むな」
2人にそう頼むと、頷いた。
別れの時。
部屋を出た時から握りしめていた凜花の手を離す。
ずっと泣くのを我慢している凜花の瞳が潤んでいて…
出来る事ならこのまま…
連れ去りたい…
そんな気持ちが溢れた。
「凜花…行って来るよ」
「……うん…身体に気を付けてね…行ってらっしゃい…」
目にいっぱ涙を溜めて。
堪らなかった……
「…凜花!!」
凜花と唇を合わせギュッと抱きしめた。
凜花を離すと背を向けて…振り返らず前だけを見て進んだ。
凜花の顔をもう一度見たら、決心が鈍りそうで振り返れなかった。
…凜花…