*制服のボタン*a solemn promise*
新学期が始まった。
何も変わらな学校の風景。
ただ……陵弥はいない…
見上げれば、雲が高くなった空が夏の終わりを告げる。
この空のずっと向こうで陵弥は今……
……何思ってる…?…
「凜花ちゃん……」
屋上にいた私に卓君が声を掛けた。
「陵弥…元気だってさ」
「そう…陵弥頑張ってるんだね…」
笑顔でそう答える私。
私は陵弥にメールも電話もしないでって言ったんだ。
陵弥を思って淋しくなるから……
近況は卓君が教えてくれるから。
それで十分だった。
「陵弥がさ、凜花ちゃん泣いてないかって…」
…クスッ……
「陵弥は心配症だね…どんだけ、私が泣き虫だと思ってんだかね……」
陵弥…私、泣いてないよ。
強くなるんだから…
「陵弥が、浮気すんなよって言ってたぜ!」
…な、何よ!! 自分だって金髪美人と宜しくやってんじゃないでしょーね!?
……ふんっ!!…
「卓君、陵弥にばーかって伝えてよね!!」
……ぶっ……
そして、卓君と笑った。
陵弥……私笑ってるよ…