*制服のボタン*a solemn promise*
幸樹君も陸斗君も、私を気に掛けてくれてわざと私に構うんだ…
「仲良くみんなでね!!」
私がそう言うと2人とも顔を見合わせて笑った。
いつも私の周りには誰かがいて…
隣に陵弥はいないけど、賑やかだよ……
もうすぐ文化祭。
去年はホストだった陵弥。
女の子いっぱいに囲まれてさ、ニコニコ愛想振り撒いて…
あっ…私なんか萌えキャラのメイドだったんた。
そー言えば、陵弥に大爆笑されたっけ。
……クスッ……
あんまり頭に来たから、陵弥の邪魔してやったんだ。
陵弥の誕生日だったんだよね…
お揃いの香水をプレゼントしたんだ。
今年は…
陵弥はいないんだ…
「卓君…陵弥の誕生日におめでとうって伝えてくれる?」
「凜花ちゃん…誕生日くらいメールしてやれば」
アドレスも電話番号も知らない訳じゃない。
だけど…自分からそんな事したら、毎日、1分1秒でも陵弥の声を聞かずにはいられなくなる……
メールの文字を見たら泣きたくなる。
だから……
笑顔で首を振る私に、卓は苦笑いしてた。