*制服のボタン*a solemn promise*
えっ…?…
私は閉じていた目をパチッと開いた。
そして……
ゆっくりと上体を起こす。
「ここ…俺の特等席なんだけど…」
真っ直ぐに私を見つめて。
私もその瞳を見つめると…
涙が溢れ出す。
私はベンチから立ち上がると、一気に飛び込んだ。
「……陵弥!!」
私の身体をしっかりと受け止め、すっぽりと包み込んだ。
「凜花…」
幻じゃないよね…
夢じゃないよね…
私の大好きな陵弥の匂いがする。
陵弥の匂い…
陵弥の温もり。
陵弥の声…
紛れもない、私の大好きな陵弥だった。
「…会いたかった…会いたかったよ………陵弥…」
陵弥の胸に顔を埋めて、何度もそう言った。
言いたい事はいっぱいあったのに、それしか言葉が出て来なかったんだ。
「俺も…凜花に会いたかった…」
そう言うと陵弥の手が私の頬に触れる。
顔を上げた私は涙でぐちゃぐちゃだけど……
陵弥に見つめられて…
そのまま唇を合わせた。
陵弥と出会った中庭で、今度は陵弥と再会した。