*制服のボタン*a solemn promise*


数ヶ月ぶりに戻った日本。


明日の卒業式に出る為に帰国した。



卓にも言ってなかった。
もちろん凜花にも。



旅立つ前に、卒業式には帰って来るって言ったけど、どうなるか分からなかったから。


卓が時々メールで凜花の様子を知らせてくれていた。

凜花は俺に、メールも電話もしないでって……


でも、俺も助かった。


凜花の声を聞いたら……
凜花が泣いていたら…



傍にいてやれない俺は途中で投げ出していたかも知れないから……


凜花は知らないだろうけど、卓はこっそり凜花の写メを送ってくれたりしてたんだ。



いつも笑顔の凜花。


『いつも、凜花ちゃんは笑顔だ…』



そう卓がメールをくれる度、俺はどれだけ励まされたんだろう……



凜花の声が聞きたくて、何度も電話を握りしめたまま眠ったか……



クリスマスのメッセージカードを卓に託した時。



凜花が俺を思って涙した事……


少しだけ後悔したんだ。

泣かせたくなかったのに、泣かせてしまった事。



でもな……


あのメッセージは本物だよ。



聖なるクリスマスに凜花に永遠の愛を誓いたかったんだ。



……愛してる……



そう言いたかったんだ。



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