桜色

そのしぐさにビックリして涙が引っ込んだ


この人・・・冷たい人なんじゃないの?

「あ??柚子泣き止んだ」




私の顔を覗き込むお隣さん




「なんで私の名前知ってるの!?」




考えるより先に声が出た




「あ?だって自己紹介聞いたしそれにふつー隣のヤツの名前ぐらい知ってるだろ」



怪訝な顔のお隣さん


そりゃそーか普通隣の人の名前ぐらい知ってるよね・・・それに自己紹介したし


てか私、隣にいて自己紹介までした人の名前知らないなんてヤバいんじゃ?



「椿 柚琉」


「へッ?」


「俺の名前は椿 柚琉よろしく柚子」



私のココロを読んだように優しく言った彼の上には満開の桜がキラキラと静かに舞っていた









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