好きってなんだ?
好き
「哲平と2組の鈴木由香付き合ってんだってよ〜。
ま、噂だけどな〜。」
水谷香織がにやにやしながら哲平を指さした。
香織は小学生からの友達。
「噂でしょ?
本当かどうかわかんないじゃん。
それに、あの泣き虫の哲平だよ?」
高田哲平もあたしの小学生からの友達。
いつも、人に頼ってばかりで泣き虫だった哲平に彼女なんて信じらんない。
「あのね〜、小波。
哲平だって男だよ?
恋くらいするべ〜。
もう中学生なんだからさ。」
まだ中学生じゃん。
「じゃ本人に聞いてみる?」
ってあたしは哲平を呼んで、さっきの話を聞いた。
「2組の鈴木由香と付き合ってるって本当?」
哲平はきょとんとした顔をしている。
「どうなんだよ〜?
哲平?」
香織はせかすように哲平をつっつく。
「本当だよ。
知られるの早くてびびった。
2人にはちゃんと後で言おうと思ってたから。
なんか照れるな。」
哲平は顔を真っ赤にして言った。
「あの泣き虫だった哲平がね〜?」
香織は哲平の顔をのぞきこむ。
「本当だわ〜。」
びっくり。
なんか寂しいし。
「お前ら〜。
俺はもう泣き虫じゃねえよ。」
ってあたしの頭をくしゃってした。
「髪くずれたじゃん!」
でも、嬉しい。
「でも、他にも付き合ってる奴なんて沢山いるよな〜。」
って香織わまわりを指さした。
「そんなに?
なんで?
本当に好きなのかな?」
まだ中学生なのに。
「失礼だな〜、小波わ〜。
みんなちゃんと好き同士だよ〜。
小波は恋した事ないの?

香織はあたしの顔をじっと見た。
「恋?
したことないな〜。
香織は?
好きな人いるの?!」
あたしは香織の肩を揺すった。
「え?
実は〜、同じクラスの安田涼が好きなの。」
香織が照れながら言う。
「まじで?!
どんなとこが?」
信じられない。
なんで?
たしかに顔はカッコイイけど・・・。
「顔と身長!」
即答かよ〜。
「顔と身長?
そんなら他にも沢山いるじゃ〜ん。」
あたしはまわりをみわたした。
「そんなにいないし!
だから〜、小波も協力して?」
も〜、しょうがないな〜。
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